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【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2008年5月撮影 平安朝の年中行事 十五日粥

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 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

平安朝の新春行事 臨時客 に引き続き、
2008年5月に風俗博物館を訪ねて撮影した展示の様子です。

東の対 東廂と北廂において
『枕草子』より
「平安朝の年中行事 十五日粥<七種粥>」
の場面が展示されていました。



<博物館レジュメより>
“十五日粥(じゅうごにちがゆ)とは、一年中の邪気を祓う為に
正月十五日の朝食べる粥のことで、米の他、粟(あわ)・黍(きび)
・稗子(ひえ)・篁子(みの)・胡麻(ごま)・小豆(あずき)の
七種類の穀類を使った粥なので「七種粥(ななくさがゆ」とも
呼ばれる。”

※正月七日に行う「七草粥」とは異なる行事です。

“また、この十五日粥の歳時には「粥杖(かゆづえ)」の行事が
宮廷女房の間で流行し、『枕草子』には「十五日節供まいりすえ、
粥の木ひきかくして・・・」とあり、邪気払いの十五日粥を作る
ために、神聖な火を起こした薪の燃え残りの木を削って作った
「粥杖」で子どもがいない女性の尻をたたくと子宝に恵まれる、
あるいは男性の尻をたたけばその人の子を宿すなどといって、
粥杖をもってお互いに隙を狙って打ち合って戯れている様子が
記されている。”



婿君と姫君。

“早朝、新しく姫君の元に通うようになった婿君に十五日粥の
祝い膳をさしあげ、宮中に参内する時間が近づき別れを惜しむ
二人の背後で、二人の子宝を願い、粥杖を描くし持った女房が
姫君の隙を狙って奥の方からじっと見守っている姿を展示。”



姫君の背後には粥杖を持ち、
隙をねらっている女房の姿があります。





粥杖を手にしている女房。





“襖の向こうでは、婿君の参内装束<束帯>の用意が
あわただしく進められて”いました。


冠(かんむり)を運ぶ女房。






参内の準備をする女房たち。



粥杖を手にした女房たち。






女房の局~女房の日常・平安の遊びと菖蒲枕~ へ続きます。






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【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2008年5月撮影 女房の日常・平安の遊びと菖蒲枕

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 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

平安朝の年中行事 十五日粥 に引き続き、
2008年5月に風俗博物館を訪ねて撮影した展示の様子です。

女房の局(つぼね)では
「~女房の日常・平安の遊びと菖蒲枕~」が
展示されていました。


 平安の遊び~囲碁・双六・偏つぎ~



≪碁(ご)≫
上代に中国から伝来した遊戯で、囲碁と言うように相対す二人が
碁盤の升目に交互に白黒の碁石を置いて地を囲み、地を広く占めた
方を勝ちとする盤上競技。




≪双六(すごろく)≫
囲碁と同様、上代に中国から伝来した遊戯で、二人が相対し、
それぞれ十二枠の陣を示した双六盤を用い、盤の上に白黒の
石(駒)を並べて、相対する二人が交互に二個の「賽(さい)」
を「筒(どう)」に入れて振り出し、目の数だけ石を進めて、
先に全部の石を敵陣に送り終えた方を勝ちとする盤上遊戯。




≪偏つぎ≫
主として女性や幼少の者たちが、漢字の知識を競い合った遊戯で、
その遊戯方法は諸説あるが、漢字の旁(つくり)に偏(へん)を
つけて文字を完成させる、あるいは旁に偏を付けて読みを答え
させるなどがあった。




 平安時代の愛玩動物・猫



平安時代の猫は中国から輸入された、舶来の「唐猫(からねこ)」で、
宮中や上流社会で飼育された高級な愛玩動物であり、現在のような
野良猫は見られず、多くは綱を付けて家の中で飼われていた。

この時代の猫の鳴き声は「ねうねう」と記されている。




 菖蒲枕で休む女房





五月五日の端午節句を前に、四日の夜、菖蒲(しょうぶ)を
枕の下に敷いたり、菖蒲を編んで作った枕で眠ることで邪気が
払われるという風習があった。



※オリーブ色文字は博物館レジュメからの引用です。





 平安朝の年中行事 五月の節 端午節句 へ続きます。




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【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2008年5月撮影 平安朝の年中行事 端午節句

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 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

女房の局~女房の日常・平安の遊びと菖蒲枕~ に引き続き、
2008年5月に風俗博物館を訪ねて撮影した展示の様子です。

寝殿北廂において
『源氏物語』<蛍>より
「平安の年中行事 五月の節 端午節句」
の場面が展示されていました。


舞台は、六條院夏の御殿(おとど)の西の対に見立てられています。

<博物館レジュメより>
“源氏36歳の夏、5月5日の端午の節を迎えた六條院
夏の御殿の西の対には多くの薬玉が届けられていた。
この夏の御殿には、花散里が後見となり、かつての源氏の
思い人であった夕顔の忘れ形見である玉鬘(頭中将と
夕顔の娘)が住まっていたからである。”

五月五日には薬玉を贈り合う習慣がありました。




写真右側:薬玉を手にする玉鬘。袿姿。


贈られてきた薬玉。


蛍兵部卿宮から文が届けられました。
文は白い薄様の紙で、五月五日の節に合わせて
菖蒲(しょうぶ)の白い根に結びつけられていました。



薬玉を肘にかけた女童。
正装の汗衫姿


薬玉を母屋の柱に吊るす女房。
唐衣・裳姿。


薬玉を肘にかけた女房。
唐衣・裳姿。




源氏。
直衣出衣(のうしいだしぎぬ)姿。



屋根の軒に葺いた菖蒲(しょうぶ)




 四季のかさねの色目に見る平安の美意識 へ続きます。



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【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2008年5月撮影 四季のかさねの色目

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 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

平安朝の年中行事 五月の節 端午節句 に引き続き、
2008年5月に風俗博物館を訪ねて撮影した展示の様子です。

寝殿西廂では
「四季のかさねの色目に見る平安の美意識」が
展示されていました。


 かさね色目・春夏秋冬


冬:雪ノ下かさね

(降り積もった雪の下にも、春待つ紅梅と新芽を思わせる、
生命力溢れるかさね色目)



春:梅かさね

(早春に咲き競う紅梅の様々を表したかさね色目。
着用時期旧暦11月~2月)



夏:菖蒲(しょうぶ)かさね

(端午節句に使用するサトイモ科の菖蒲の「根」と「葉」の
色の対比を表したかさね色目。
緑に色づいた葉先より根に近づくに従い白くなり、根元は
鮮やかな紅梅色となり、白く長い根に繋がる。
かさね色目で、端午の節の菖蒲を特に称賛した、高い香気が
感じられるようなかさね色目である。
着用時期旧暦4月~5月)




秋:紅紅葉(くれないもみじ)かさね

(紅葉してゆく木々の一年の中でも、特に紅(くれない)を
印象深く表したかさね色目)




 唐衣・裳装束を着装した際のかさね色目の見え方


唐衣:葵(あおい)かさね
表着:山吹匂(やまぶきのにおい)かさね

五衣・単→花橘(はなたちばな)かさね

(常緑である橘の木が、春を迎えて色濃く葉が色付き、初夏には
白い花が咲き、やがて朽葉(くちば)色の実を実らすという、
橘の木を一年を通して表したかさね色目。
着用時期旧暦4月~5月)


※オリーブ色文字は博物館レジュメのより引用。




 実物大展示室へ続きます。







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【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2008年5月撮影 実物大展示室

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 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

四季のかさねの色目に見る平安の美意識 に引き続き、
2008年5月に風俗博物館を訪ねて撮影した展示の様子です。

実物大展示室では
直衣姿の男君、
唐衣・裳姿<十二単姿>の女房、
衵(あこめ)姿の女童が
展示されていました。

(今まで女童の人形が展示されたことはなかったので驚きました。)



母屋にいる直衣姿の男君。


横から見た男君。




廂にいる女房と女童。



女房は唐衣・裳姿
・・・いわゆる十二単姿です。


後ろから見た女房。




衵姿の女童。
高坏(たかつき)の上には唐菓子が盛られたお皿がありました。


横から見た女童。





 着装体験。

風俗博物館、実物大展示室には
洋服の上から自由に羽織ることができる
装束があります。

 ・男性用・・・狩衣姿(狩衣と指貫)
 ・女性用・・・袿姿(単と袿)



友人とのツーショット。袿姿です。




以上、2008年5月における風俗博物館の展示の様子でした。







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【日常】 スタバのピーチインピーチフラペチーノに紫式部を想う。 紫式部の幼名は「もも」!?

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 私のささやかな日常。

暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。
久しぶりの日記です。

先日、スタバでピーチインピーチフラペチーノを
飲んでゆったりひとやすみ。



旬のピーチをたっぷり使ったフラペチーノで
桃が好きな方にはオススメ!!



桃の花というと、『紫式部集』に収められている
紫式部の夫・藤原宣孝が詠んだこの歌を思い出します。

「桃といふ名もあるものをときのまに ちる桜には思ひおとさじ」

 現代語訳
「百(もも)というめでたい名もあるのだから、時の間に散るような桜には思い落すことはしないでおこう。」
 <『新訂版 紫式部と和歌の世界』(武蔵野書院)より>


この歌から、
紫式部の幼名は「もも」というのではないかと
提唱されている研究者の先生もいらっしゃいます。


ちなみに・・・
京都市右京区にある
小倉百人一首殿堂 時雨殿で販売中のミニ歌仙人形
「紫式部」は桃かさね<表:淡紅・裏:萌黄>の袿を着ているのでした。


これはおそらく
紫式部の幼名「もも」説を意識して
作成されたのではないかと思われます。


高さ2センチの小さなお人形です。




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【日常】 国宝「源氏物語絵巻」<夕霧>での雲居の雁の単袴姿

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 私のささやかな日常。雑感。

Twitterでこんなまとめを見かけました。

平安時代の夏の部屋着『単袴姿(ひとえはかま)』が「おっぱい丸見えじゃないか!」と話題に - Togetterまとめ
⇒ http://togetter.com/li/847962


単袴(ひとえはかま)姿は
その名の通り袴をつけ、単を着ただけの姿のこと。
腕や胸のかたちも露わになります。

現代人にはちょっと刺激が強すぎるのかも!?

単袴姿というと、
平安末期に制作された国宝「源氏物語絵巻」<夕霧>で
描かれている雲居の雁を彷彿とされる方も多いと思います。
胸や腕が透けて見えています。



実はこの場面、源氏物語本文には雲居の雁の装束姿について
記されていません。

にも関わらず、単袴姿で描かれているのは
『源氏物語』<常夏>で登場した
”羅(うすもの)の単を着て昼寝している雲居の雁”の
イメージが投影されているようです。

父である内大臣は雲居の雁に対して羅の単を着ただけの姿で
うたた寝はいけないと戒めるのでした。


雲居の雁を援護すると、
父・内大臣の来訪は突然のことでした。

女房たちが来訪を知らせてくれたならば、雲居の雁は
うたた寝から起きて袿を羽織った状態で父を迎えたのでは
ないかとも思います。

また、内大臣の怒りは雲居の雁にだけでなく、
雲居の雁に仕える女房達にも向けられていました。
なぜなら、女房達も昼寝をしていたからです。

羅(うすもの)の単姿でうたた寝するのは
たしなみのある様子とは言えず貴族の姫君として
褒められることではありませんが
父・内大臣の突然の来訪、
女房たちがうかつにも物の背後に寄り臥して昼寝をしている、
という偶然が重なったことにもよるのではないかと思います。


国宝「源氏物語絵巻」<夕霧>において、
すでに夕霧との間に子どもたちもいる女性となった
雲居の雁が、皮肉にも結婚前の出来事だった<常夏>での
単袴姿で描かれている意図は何なのでしょうね。

気になるところです。




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【本】 「図説 王朝生活が見えてくる!枕草子」 (監修:川村裕子)

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 枕草子に関する本のご紹介です。

2015年7月に青春出版社から発売された本、
「図説 王朝生活が見えてくる!枕草子」を読みました。



 ※青春出版社の紹介ページより
 ⇒ http://www.seishun.co.jp/book/16237/


 “宮仕え・節句・化粧・薫物・後朝の歌・噂話
 …雅とされる宮中での生活は一体どんなものだったのか!
 日本三大随筆の一つ「枕草子」に描かれた平安貴族の暮らしぶりと、
 清少納言の秘められた胸の内をふんだんな図版で読み解く一冊。
 王朝生活が手に取るようにわかります。”


 
 図説 王朝生活が見えてくる!枕草子 (青春新書インテリジェンス)


「枕草子」を全く読んだことがない方よりも
一通りざーっとでも読んだことがある方のほうが
楽しめるような気がします。

なるほど!と思えるエッセンスが盛りだくさん。
図版も多くてわかりやすいです。

この夏、オススメの一冊!!




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【情報】 よみうりホールにて講座 「物語」がはじまる―『竹取物語』から『源氏物語』へ 開催!

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 源氏物語に関連した講座の情報です。

JR東海生涯学習財団のサイトによると、
東京都千代田区にあるよみうりホールにて
講座「歴史の歩き方―日本を見つける知の探訪―」が
開催されます。

 (第72回)「物語」がはじまる―『竹取物語』から『源氏物語』へ

 【日時】 9月11日(金)18:00~20:45

 【会場】 よみうりホール

 【講師】 河添房江(東京学芸大学教授)・藤井貞和(詩人・東京大学名誉教授)


ハガキにて事前申し込みが必要です。
平成27年8月10日(月)必着。


 ※講座 歴史の歩き方 ―日本を見つける知の探訪―
 ⇒ http://www.jrtf.or.jp/history/




お近くにお住まいの方もそうでない方もどうぞ。





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【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2008年10月撮影 六條院移徙 その1

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 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

2008年5月に
風俗博物館を訪ねて撮影した展示の様子です。

寝殿において
『源氏物語』<少女>より
「六條院移徙(わたまし)」の場面が展示されていました。



<博物館レジュメより>
“源氏35歳(太政大臣)の8月彼岸の頃、慣れ親しんだ
二條院を離れ、新しく完成した六條院へ引き移った。”

“この夜、紫の上と源氏は、二條院より牛車15両
(牛車1両の定員は4人)を連ね、人払いの前駆
(ぜんく)には四位、五位の者と、相応しい六位の
殿上人だけを選び、あまり仰々しく儀式ばった様子
ではなく行われた。”

※移徙(わたまし)とは・・・居処を変えること。



糸毛車(いとげのくるま)から降りて
寝殿に上がる源氏と紫の上。


源氏(太政大臣)。
直衣出衣姿。

紫の上。
小袿姿・・・高貴な女君の褻(け)の装束で、略礼装にあたります。
国宝『源氏物語絵巻』<宿木二>で描かれている六の君の小袿姿を参考に制作されたのだとか




源氏、紫の上に引き続き、
糸下車から降りている明石の姫君。



明石の姫君。
袿姿。



糸毛車(いとげくるま)
“牛車の一種で、絹の縒糸(よりいと)で屋形の外部を
覆い飾り、上に金銀のか文を散らして糸の押さえと装飾を
かね、腰下(こしした)と庇の先端に糸を垂らしたもの。
身分の差により屋形の前後の軒下に庇を設けた庇差
(ひさしさし)の糸毛車と庇なき糸毛車の様とがあった。”

※か=穴のしたに果






 六條院移徙 その2 へ続きます。




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【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2008年10月撮影 六條院移徙 その2

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 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

六條院移徙 その1 に引き続き、
2008年10月に撮影した風俗博物館の展示の様子です。


庭には正装の汗衫姿の女童たち、
寝殿 簀子には唐衣・裳姿の女房たちが控えています。





牛車から降りる女房。
唐衣・裳姿。


牛車。



女房達が乗っている牛車。








 平安朝の年中行事~師走 仏名会~ へ続きます。




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【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2008年10月撮影 平安朝の年中行事~仏名会~

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 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

六條院移徙 その2 に引き続き、
2008年10月に撮影した風俗博物館の展示の様子です。

東の対では
『源氏物語』<幻>より
「平安朝の年中行事 ~師走(しわす) 仏名会(ぶつみょうえ)~」の
場面が展示されていました。




<博物館レジュメより>

“源氏52歳の12月(旧暦)、六條院で仏名会(ぶつみょうえ)が
執り行われた。
昨年8月14日には紫の上が43歳で亡くなっており、一周忌を終えた
年の暮れ、この年最後の六條院の参会行事に親王や上達部の多くが訪れた。
この仏名会は12月の末、初夜・中夜・後夜の3夜にわたって行われた
仏事で、一年間の終わりにその年の六根(ろっこん)の罪障(ざいしょう)
を懺悔し、過去(法蔵比丘/ほうぞうびく)・現在(阿弥陀如来)・
未来(弥勒菩薩)の三世の諸仏の三千仏名(さんぜんぶつみょう)を
唱えることで、滅罪(めつざい)されると信じられ、心身ともに清らかに
なって新しい年を迎えることを願う仏事で、神道の「大祓(おおはらえ)」
の行事に相当した。”



女房たち。


散華をする僧たち。


僧侶たちの奥にいる直衣出衣(のうしいだしぎぬ)姿の男君が源氏です。

源氏は准太上天皇。



角度を変えて撮影。

写真左側:源氏
写真右側:僧(導師/どうし)

御帳台(みちょうだい)の中には
三世の三千仏(さんぜんぶつ)が掲げられています。



母屋や廂には、親王たちや上達部が座しています。






廂には地獄絵の屏風がたてられていました。






 源氏物語千年紀 「紫式部日記」より 御冊子つくり へ続きます。




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【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2008年10月撮影 源氏物語千年紀 御冊子つくり 1

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 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

平安朝の年中行事 ~師走 仏名会~ に引き続き、
2008年10月に撮影した風俗博物館の展示の様子です。

東の対では
源氏物語千年紀『紫式部日記』より
「御冊子(みそうし)つくり」の場面が
展示されていました。

<博物館レジュメより>

“寛弘5年(1008年)9月10日、藤原道長の娘である中宮彰子が土御門邸に宿下がりし、御子(後の後一条帝)を出産した。
若宮誕生以来、御産養、一条帝の土御門第行幸、御五十日の御祝いとめでたさにつつまれた慌ただしい諸行事を終え、11月17日には一条帝の待つ内裏に還御することが近づいている彰子は、紫式部に御冊子(みそうし)つくりを命じた。
この冊子つくりは、中宮彰子が選んだ、内裏に持参するお土産品の一つであり、まとめ役に選ばれた紫式部はすぐさま彰子の御前に伺候し、様々な色とりどりの優れた紙を選び調え、物語の原本に、選んだ紙を添えてあちらこちらの方々に書写を依頼した。
それを知った道長は、彰子のために上等の薄様の紙や筆、墨に加え、立派な硯まで持参されたが、中宮彰子は紫式部にその硯をそのままお与えになった。
その様子を見た道長は冗談を含めて惜しがったが、この後も紫式部の冊子つくりの為に様々に心を尽くした。
道長の後押しを手にして、選び抜かれた料紙で豪華に仕立てられた御冊子は、他ならぬ『源氏物語』であった。”



中宮彰子と藤原道長、紫式部。





中宮彰子
小袿姿・・・高貴な女君の装束で略礼装にあたる。



藤原道長と紫式部。

藤原道長は直衣姿。
紫式部は唐衣・裳姿。



紫式部の後ろ姿。




紫式部に与えられた
上等の薄様の紙と
筆や墨、硯が入った硯箱。





展示全体の様子。





東の対 北廂では、女房たちによる
平安時代の御冊子(みそうし)つくりの場面が
展示されていました。

次回ご紹介します。



 御冊子つくり その2 へ続きます。






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【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2008年10月撮影 源氏物語千年紀 御冊子つくり 2

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 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

御冊子つくり その1 に引き続き、
2008年10月に撮影した風俗博物館の展示の様子です。

東の対 北廂では
源氏物語千年紀『紫式部日記』より
「御冊子(みそうし)つくり」の場面が
展示されていました。

≪平安時代の御冊子つくり≫

 1、継紙に使う料紙を切る女房








 2、継紙の紙を継ぐ女房




冊子の料紙になる継紙(つぎがみ)を作ります。



 3、出来上がった継紙に冊子を書き写す女房




物語を書き写します。



 4、粘葉装(でっちょうそう)の糊付けをしていく女房




糊で綴じていきます。

“粘葉装(でっちょうそう)とは書写された紙を1枚づつ
二つ折りにし、折り目の方を糊付けして貼り合わし、
綴じていく方法。”





展示全体の様子。




 女房の局~伏籠と重陽の節句~ へ続きます。




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【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2008年10月撮影 女房の局~伏籠と重陽の節句~

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 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

御冊子つくり その2 に引き続き、
2008年10月に撮影した風俗博物館の展示の様子です。

女房の局(つぼね)では
「~伏籠(ふせご)と重陽(ちょうよう)の節句~」が
展示されていました。


 女房の日常 伏籠



<博物館レジュメより>
“自分の好みに調合した練香を、火取香炉(ひとりこうろ)で燻らし、その上に伏籠(ふせご)という竹の籠を置き、その上に装束をかけて香を移すのである。
火取(ひとり)とは、二階棚(にかいだな)に置かれているもので、火取母(ひとりも)・火取籠(ひとりかご/匙・箸付き)・薫炉(くんろ)からなり、銀製の薫炉に香を入れて焚き、火取籠をかぶせて使用するものである。”


二階棚


冊子を見ている女房。





 平安朝の年中行事 重陽の節句





“旧暦九月九日は中国において陽(よう)の数字である九が重なっている、ということで重陽(ちょうよう)と呼ばれる。
この重陽の頃は菊の花が盛りで、唐土(もろこし)より伝わった菊の花は万病を避け、不老長寿を保つ薬草として重用されていたので、その菊花の霊力を戴き、邪気を払い長寿を祈って菊酒を飲み、菊の着せ綿(わた)という風習を行うことがされた。
菊の着せ綿は重陽の日の前日に菊花に真綿(まわた)をかけておき、一晩おいて菊花の朝露を移した綿で体を拭うと老いが避けるという風習である。”



菊の花を飾る女房。



菊の着せ綿を運ぶ女房。



菊酒。




 四季のかさねの色目に見る平安の美意識 へ続きます。




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【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2008年10月撮影 四季のかさねの色目

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 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

女房の局~伏籠と重陽の節句~ に引き続き、
2008年10月に撮影した風俗博物館の展示の様子です。

寝殿 北廂では
「四季のかさねの色目に見る平安の美意識」
が展示されていました。


≪かさね色目・春夏秋冬≫

 四季:松かさね


“松は常盤木(ときわぎ)でめでたさに通じるので、四季通用・祝いに着る色として使われた。
五葉松(ごようまつ)は正月の子(ね)の日の小松引きなどに使われ、多くの古典に登場する。
千歳(ちとせ)に変わらぬ常緑葉の萌黄色の美しさと、雌花の蘇芳(すおう)色に子孫繁栄を表したかさね色目である。”



 冬:雪ノ下かさね


“降り積もった雪の下にも、春待つ紅梅と新芽を思わせる、生命力溢れるかさね色目”



 春:梅かさね


“早春に咲き競う紅梅の様々を表したかさね色目。
着用時期旧暦11月~2月。”




 春 「布」のかさね:桜かさね




“「衣」のかさねにはみられず、「布」のかさねで極めて多く用いられ、好まれたかさね色目である。
表地の白色に裏地の紅がほのかにすけた様が桜を象徴的に表している。
着用時期旧暦正月~3月。)




 夏:花橘かさね


“常緑である橘の木が、春を迎えて色濃く葉が色付き、初夏には白い花が咲き、やがて朽葉(くちば)色をの実を実らすという、橘の木を一年を通して表したかさね色目。
着用時期旧暦4月~5月”




 秋:捩り紅葉(もじりもみじ)


“紅葉する木々の色を、表裏違う色を組み合わせて表したかさね色目”




 秋:黄菊(きぎく)かさね


“菊は元来、万病を避け、不老長寿を保つ薬草として日本に渡来した花で、重陽(ちょうよう)の節句には、貴菊に真綿(まわた)被せ、一晩おいて菊の露を含ませ、その綿で身を拭い、菊花の霊力を授かるということが行われていた。
菊は花盛りに厄除けの花として愛でられた後、「移ろひ盛り」といって、盛りが過ぎて色が赤紫に変色した折と、二度愛でられ、その黄菊の移ろう様子を表し、四季の花の霊験を願ったかさね色目である。”





展示全体の様子




 女房のお勤め 御格子参る へ続きます。




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【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2008年10月撮影 女房のお勤め 御格子参る

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 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

四季のかさねの色目に見る平安の美意識 に引き続き、
2008年10月に撮影した風俗博物館の展示の様子です。

寝殿 西廂では
『枕草子』『紫式部日記』『源氏物語』<末摘花>より
「女房のお勤め 御格子参る(みこうしまいる)」が
展示されていました。




<博物館レジュメより>
“格子は表裏ともに黒漆塗りで、その間に胡粉(ごふん)塗りの薄い板が挟んであるのが正式で、格子の種類には一枚格子と二枚格子があり、一枚格子は寝殿や対の屋の南に面した、儀式や行事の多い場所使われた。
これは一間角の大きな一枚格子の方が、開閉が一回で済む利便性を考えてのことであるかと考えられる。
これらの格子を朝夕上げたり下げたりすることを「御格子参る(みこうしまいる)」と言い、女房達の大切な仕事の一つであった。”


 一枚格子の場合


碁盤を踏み台として、一枚格子を上げる女房。

“格子は一枚格子の場合、建物の内側に押し上げ、吊り上げるので、御簾も格子の外に懸けられる。”




 二枚格子の場合






二枚格子の上の格子を吊り上げる女房たち。

“二枚格子は上の格子を外側に吊り上げ、下の格子は用途によって取り外し、御簾は内側に懸けられた。”



二枚格子の下の格子を運ぶ女房たち。





ウインドウでの唐車の展示へ続きます。







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【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2008年10月撮影 ウインドウでの唐車の展示

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 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

女房のお勤め 御格子参る に引き続き、
2008年10月に撮影した風俗博物館の展示の様子です。

ウインドウでは
牛車のひとつ、唐車(からぐるま)が展示されていました。








<博物館での解説より>

“~唐車とは~
牛車の一種で最高級のものである。
主に上皇・皇后・東宮・親王が用いた。
屋根の前後を唐破風(からはふ)とし、左右の軒先を反らせて張り出し、屋根などを檳榔(びろう)で葺くことを特色とした。
この檳榔はヤシは科の植物で南国(九州・沖縄など)でしか手に入らないため貴重品とされ、これを使った牛車は権力の象徴とされた。
唐車の御簾は蘇芳染めなのが特徴で、蘇芳色の糸で編まれ、縁は錦とされた。
また、下簾(したすだれ)も蘇芳染めで浮線綾(ふせんりょう)とされ、唐草や唐鳥の刺繍が施されている。”




 六條院移徙において展示されていた牛車。


糸毛車


網代車


八葉車





 実物大展示室 へ続きます。






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【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2008年10月撮影 実物大展示室(狩衣姿体験)

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 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

ウインドウでの唐車の展示 に引き続き、
2008年10月に撮影した風俗博物館の展示の様子です。

実物大展示室では
直衣姿の男君、
唐衣・裳姿<十二単姿>の女房、
衵(あこめ)姿の女童が
展示されていました。


母屋にいる直衣姿の男君。


廂にいる女房と女童。
唐菓子をつまみながら、双六に興じているようです。


唐菓子(からがし)
※模型です。





女房は唐衣・裳姿
・・・いわゆる十二単姿です。



衵姿の女童。



廂から見た様子。




 着装体験。 

風俗博物館、実物大展示室には
洋服の上から自由に羽織ることができる
装束があります。

 ・男性用・・・狩衣姿(狩衣と指貫)
 ・女性用・・・袿姿(単と袿)


久しぶりに狩衣を着てみました。
着装方法が間違っていましたら、ごめんなさい。




左手を上げてみました。


横から


後ろから

一緒に行った友人による撮影です。
ありがとうございました。




以上、2008年10月における風俗博物館の展示の様子でした。






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【情報】 今秋、宇治市源氏物語ミュージアムと小倉百人一首殿堂 時雨殿が合同企画!

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 源氏物語に関する展示の情報です。

8月1日(土)に
宇治市源氏物語ミュージアムの公式サイトが
更新されていました。

8月・9月開館スケジュールのお知らせ のページに
“平成27年9月30日(水)から11月29日(日)まで,
小倉百人一首殿堂 時雨殿 との合同企画「紫式部と源氏物語」を開催いたします。”
とありました。

 ※源氏物語ミュージアム 公式サイト
 ⇒ http://www.uji-genji.jp/
 ⇒ http://www.uji-genji.jp/information/view.php?info_no=401


合同企画について詳細はまだ公表されていませんが
どんな企画展となるのか楽しみです。

また、小倉百人一首殿堂 時雨殿のほうでは
合同企画としてどんな展示が行われるのか
今後の公式サイトの更新が気になるところです。


 ※時雨殿
 ⇒ https://www.shigureden.or.jp/


ぜひ、合同企画の期間中に
京都(嵐山)と宇治を訪ねたいと思います。







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