京都市下京区にある風俗博物館のこと。
六條院四季絵巻~卯月 灌仏会(かんぶつえ)~ に引き続き、
2010年3月に撮影した風俗博物館の展示の様子です。
東の対 東廂・北廂では
『源氏物語』<花宴>より
「花の宴~藤花に競う源氏・あざれたる大君姿~」
の場面が展示されていました。
舞台は右大臣邸に見立てられています。
<博物館レジュメより>
“源氏20歳の3月20日過ぎ、世の中の権勢を我がものとしようとしている右大臣家で弓の競射(きょうしゃ)に続く藤花の宴が催され、多くの上達部や親王が招かれた。”
右大臣。布袴(ほうこ)姿。
桐壺帝の弘徽殿女御の父であり、
東宮(=のちの朱雀帝・源氏の異母兄)の祖父にあたります。
六の君こと朧月夜の父でもあります。
上達部・親王。布袴(ほうこ)姿。
源氏と四位少将。
“複雑な人間関係を煩わしく思い、物思いに沈む源氏は、右大臣邸の藤花の宴の招きを受けても参上しなかったが、派手好みで贅美を尽くした右大臣邸の藤花の宴に風流を極めた源氏の来訪が無いのは興ざめだと思う右大臣は子息の四位少将を源氏の御迎えに参上させ、ようやく源氏は装束を調えた。
すっかり日も暮れ、右大臣が待ちあぐねた頃、桜がさね直衣に葡萄(えび)染めの下襲(したがさね)を長々とひいた高貴な身分に相応しい略礼装の大君姿(おおきみすがた)で参上した源氏の姿は、礼装の布袴姿(ほうこすがた)で参上している人々には許されない、王者の風格を備えた姿で、右大臣邸の見事な遅咲きの桜や今を盛りの藤の花の美しさも霞むほどであった。”
源氏。直衣布袴姿。
『源氏物語』本文より
“皆人は袍衣(うへのきぬ)なるに、あざれたるおほきみ姿のなまめきたるにて、いつかれ入りたまへる御様、げにいとことなり。”
(訳:他の人はみな正装なのに、しゃれたおおきみ姿の優雅な装いで、かしずかれてお入りになるご様子は、なるほどとても素晴らしい。)
女房と藤の花。
当時、藤は松の木に絡ませて成育していました。
几帳の奥には朧月夜の姿もありました。
朧月夜は4月に東宮(=のちの朱雀帝)への入内を控えています。
局~女房の日常「身嗜み・髪の手入れ」「もう一つの装束・伏籠」「暗闇を照らす燈台」~ へ続きます。
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東の対 東廂・北廂では
『源氏物語』<花宴>より
「花の宴~藤花に競う源氏・あざれたる大君姿~」
の場面が展示されていました。
舞台は右大臣邸に見立てられています。
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“源氏20歳の3月20日過ぎ、世の中の権勢を我がものとしようとしている右大臣家で弓の競射(きょうしゃ)に続く藤花の宴が催され、多くの上達部や親王が招かれた。”
右大臣。布袴(ほうこ)姿。
桐壺帝の弘徽殿女御の父であり、
東宮(=のちの朱雀帝・源氏の異母兄)の祖父にあたります。
六の君こと朧月夜の父でもあります。
上達部・親王。布袴(ほうこ)姿。
源氏と四位少将。
“複雑な人間関係を煩わしく思い、物思いに沈む源氏は、右大臣邸の藤花の宴の招きを受けても参上しなかったが、派手好みで贅美を尽くした右大臣邸の藤花の宴に風流を極めた源氏の来訪が無いのは興ざめだと思う右大臣は子息の四位少将を源氏の御迎えに参上させ、ようやく源氏は装束を調えた。
すっかり日も暮れ、右大臣が待ちあぐねた頃、桜がさね直衣に葡萄(えび)染めの下襲(したがさね)を長々とひいた高貴な身分に相応しい略礼装の大君姿(おおきみすがた)で参上した源氏の姿は、礼装の布袴姿(ほうこすがた)で参上している人々には許されない、王者の風格を備えた姿で、右大臣邸の見事な遅咲きの桜や今を盛りの藤の花の美しさも霞むほどであった。”
源氏。直衣布袴姿。
『源氏物語』本文より
“皆人は袍衣(うへのきぬ)なるに、あざれたるおほきみ姿のなまめきたるにて、いつかれ入りたまへる御様、げにいとことなり。”
(訳:他の人はみな正装なのに、しゃれたおおきみ姿の優雅な装いで、かしずかれてお入りになるご様子は、なるほどとても素晴らしい。)
女房と藤の花。
当時、藤は松の木に絡ませて成育していました。
几帳の奥には朧月夜の姿もありました。
朧月夜は4月に東宮(=のちの朱雀帝)への入内を控えています。
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