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【日常】 国宝「源氏物語絵巻」<夕霧>での雲居の雁の単袴姿

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 私のささやかな日常。雑感。

Twitterでこんなまとめを見かけました。

平安時代の夏の部屋着『単袴姿(ひとえはかま)』が「おっぱい丸見えじゃないか!」と話題に - Togetterまとめ
⇒ http://togetter.com/li/847962


単袴(ひとえはかま)姿は
その名の通り袴をつけ、単を着ただけの姿のこと。
腕や胸のかたちも露わになります。

現代人にはちょっと刺激が強すぎるのかも!?

単袴姿というと、
平安末期に制作された国宝「源氏物語絵巻」<夕霧>で
描かれている雲居の雁を彷彿とされる方も多いと思います。
胸や腕が透けて見えています。



実はこの場面、源氏物語本文には雲居の雁の装束姿について
記されていません。

にも関わらず、単袴姿で描かれているのは
『源氏物語』<常夏>で登場した
”羅(うすもの)の単を着て昼寝している雲居の雁”の
イメージが投影されているようです。

父である内大臣は雲居の雁に対して羅の単を着ただけの姿で
うたた寝はいけないと戒めるのでした。


雲居の雁を援護すると、
父・内大臣の来訪は突然のことでした。

女房たちが来訪を知らせてくれたならば、雲居の雁は
うたた寝から起きて袿を羽織った状態で父を迎えたのでは
ないかとも思います。

また、内大臣の怒りは雲居の雁にだけでなく、
雲居の雁に仕える女房達にも向けられていました。
なぜなら、女房達も昼寝をしていたからです。

羅(うすもの)の単姿でうたた寝するのは
たしなみのある様子とは言えず貴族の姫君として
褒められることではありませんが
父・内大臣の突然の来訪、
女房たちがうかつにも物の背後に寄り臥して昼寝をしている、
という偶然が重なったことにもよるのではないかと思います。


国宝「源氏物語絵巻」<夕霧>において、
すでに夕霧との間に子どもたちもいる女性となった
雲居の雁が、皮肉にも結婚前の出来事だった<常夏>での
単袴姿で描かれている意図は何なのでしょうね。

気になるところです。




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