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【京都・風俗博物館】 2005年11月撮影 文学作品にみる名場面2 『堤中納言物語』 虫めづる姫君

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 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

文学作品にみる名場面1 『更級日記』 に引き続き、
2005年11月に撮影した風俗博物館の展示の様子です。

東の対・南廂では
文学作品にみる名場面 2
『堤中納言物語』作者未詳
「虫めづる姫君」 の場面が
展示されていました。


全体の様子。


練色の綾の袿の上に
「はたおりめ」(=きりぎりす)の柄の袿、
袴も白を身に着けています。

※一般の女性は赤い袴を着ていました。


<「新編日本古典文学全集17 落窪物語 堤中納言物語」小学館発行より 原文・訳 引用>

 “練色の、綾の袿ひとかさね、
 はたおりめの小袿ひとかさね、
 白き袴を好みて着たまへり。”

 (見ばえのしない薄黄色の、綾織の袿一重、
 その上にこおろぎの模様の小袿を一重を重ね着て、
 白い袴を好んで着用していらっしゃる。)



扇は白い蝙蝠(かわほり)ですが
扇面に漢字の練習をしています。



 “白き扇の、墨黒に真名の手習ひしたるをさし出でて、
 「これに(毛虫を)拾ひ入れよ」とのたまへば、童べ、取り入る。”

 (姫君は白地の扇に、墨くろぐろと漢字の手習いをしたのを差し出して、
 「これに(毛虫を)拾って入れておくれ」とおっしゃるので、童が拾い入れる。)




姫君は、眉毛も抜かず毛深い眉のまま。
お化粧はいっさいせず、お歯黒をつけることも
しませんでしたので、笑うと真珠のように
白い歯が現れるのでした。

※当時の女性は化粧をし、お歯黒を塗るのが常識でした。


また、姫君は物事の本質を知ることが
大切だという信念にもとづいて毛虫の
変成する様を興味深く観察していました。




 文学作品にみる名場面3『枕草子』へ続きます。







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