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【漫画】 『天上の虹』23巻 里中満智子(感想・ネタバレあり)

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 漫画の感想です。

先週末、都市圏で発売されたらしい「天上の虹(23) (KC KISS)」。
私は3月16日(月)にやっと地元の本屋で購入できました。






以下、ネタバレありの感想です。





■第65章 日食

・思いは通じ合っているのに遠く見守ることしかできない
新田部皇子と氷高皇女がせつないです。

・忍壁皇子が皇室の中で信頼される存在として
登場し続けていることが嬉しかったです。

・大海人皇子と讃良の若かりし頃の姿が回想シーンにあって
ずいぶん前のことのように懐かしく思いました。
ファンとしては、せめて夢オチであってもいいから、
大海人が讃良に助言する場面あるいは今までをねぎらう場面が
欲しい気もしてしまいましたが・・・。



■第66章 大宝律令

・新田部皇子がカッコイイ。

・重い雰囲気が漂う中、葛城王の初々しさや若さが眩しかったです。
葛城を応援したくなりますが、いい子のままで終わってむしろほっとしたような。
(三千代の子なのでもっと腹黒い子かと思っていました。)

・但馬皇女が薬で早くよくなるようにと誰かの幸せを願えるまでに成長したのか嬉しいです。



■最終章 太白(金星)

・冷静沈着な氷高が珂瑠(文武天皇)に対して本音でぶつかるのが爽快でした。

・阿閇皇女が今でも草壁皇子を理解し愛している様子に安らぎを覚えます。

・珂瑠(文武天皇)の成長が少しだけ描かれているのがほっとしました。

・「天上の虹」の中では今までいろいろな死が描かれてきましたが
讃良の最期があまりにも孤独で道半ばなのが哀しいです。
むしろ讃良らしい最期とも言えるのかもしれませんが。

讃良が最期に思ったことが大津皇子に関することだったとは。
もっと、大津のことは割り切って考えていると思っていました。


・ラストは数年前に講演会で里中先生がおっしゃっていたように
讃良の煙が立ち上っていて、こういうラストになるのかと感慨深かったです。





「天上の虹」1巻から23巻まで通してまた読もうと思います。
ラストまで読むことができてよかった作品となりました。

「天上の虹」は講談社漫画文庫で第一期が発売中、
これから第二期が刊行されるそうですが
今まで単行本派でせっせと集めてきたファンとしては
漫画文庫での刊行にあたって加筆・訂正が少ないよう願うばかりです。



のちの世代の物語となる
「長屋王残照記」や「女帝の手記」も読み返します。





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