平安時代好きブロガー なぎ です。
京都市下京区にある風俗博物館のこと。
2024年5月に
風俗博物館を訪ねて撮影した展示の様子です。(❝ ❞はレジュメまたはパネルより引用)
源氏物語から見る平安貴族の現世と来世への祈り
①法華経千部供養 ~仏の御教えの結縁・准太政天皇の正妻格として後援された紫の上の法要と惜別~(『源氏物語』「御法」より)の続きです
❝源氏51歳の3月10日(旧暦)、満開の桜が咲き誇る中、二條院において紫の上(43歳)主催の法華経千部供養が執り行われた。❞
【紫の上】
紫の上は何かにつけて余命の短さを心細く思っていました。
法華八講の三日目、
紫の上は三の宮[父:今上帝/母:明石の中宮]をお使いにして明石の御方に歌を贈ります
※三の宮はのちの匂宮のこと。
紫の上
❝「惜しからぬこの身ながらも限りとて 薪尽きなむことの悲しさ」
(惜しくもないこの身ですが、これを最後と、燃え尽きる薪のように、寿命が尽きてしまうのが悲しう存じます)❞
明石の御方
❝「薪こる思ひは今日をはじめにて この世に願ふ法ぞはるけき」
(「薪こる」という法華経へのご信心は今日の法会が始まりで、現世で成就を願われる仏法へのご奉仕は、あなたの長寿によって、末永く続くことでしょう)❞
【明石の御方の局。明石の御方・・・左奥/三の宮・・・右手前】
【紫の上のお使いで明石の御方の局を訪れている三の宮。筥に入れられた明石の御方からの返歌を受け取ります】
【明石の御方】
【花散里の局。奥にいるのが花散里。】
【花散里。右手に数珠を持っているのが見えます。】
【花散里が紫の上へ贈った歌】写真がぼけてごめんなさい
紫の上
❝「絶えぬべきみのりながらぞ頼まるる 世々にと結ぶ中の契りを」
(これが今生最後の法会でしょうが、たとえ私の身が絶えても、この功徳で生々世々結ばれるあなたとのご縁が頼もしく思われます)❞
花散里
❝「結びおく契りは絶えじ大方の 残り少なきみのりなりとも」
(この功徳で結ばれたあなたとのご縁は、決して絶えることはございますまい。世間並みの、余命が少ない身には、またと出会えないような盛大な法会ですが)❞
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