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京都市考古資料館「紫式部の平安京ー地中からのものがたりー」

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平安時代好きブロガー なぎ です。

 

2024年5月のこと。

平安京一条大路跡説明板一条院跡を訪ねてのち、

京都市考古資料館において2024年 2月17日(土)から 6月23日(日)まで開催されていた特別展示「紫式部の平安京ー地中からのものがたりー」を鑑賞。

 

本や説明板で見たことがある展示品も多く、今回実物を見ることができて感激しました!

写真撮影可能だったので印象的だったものをいくつか掲載いたします。

(この記事に掲載している展示品の写真にはすべて「晴れのち平安」の透かしを入れています。)

 

【平安宮内裏承明門跡から出土した地鎮具 輪宝と撅(けつ)】

 

【平安宮内裏弘徽殿跡から出土した塼(せん)】

 

【小野宮池跡から出土した人面墨書土器】

 

【高陽院跡から出土した緑釉陶器耳皿】

 

【土御門殿池跡から出土した 緑釉陶器、土師器 皿、高坏】

土御門殿は藤原道長の邸宅のひとつ。

「この世をば我が世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば」を詠んだのもこの土御門殿。

 

【法成寺跡から出土した緑釉軒平瓦】

法成寺は藤原道長が建立。道長は法成寺で亡くなりました。

 

【「斎宮」邸池跡から出土した「齋雑所」墨書土器】

 

【「斎宮」邸跡から出土した人形代】

 

 

【高陽院跡から出土した輸入陶磁器 青磁碗】

平安時代中期、高陽院は藤原頼通の邸宅でした。

中国越州窯系青磁の碗で、深く穏やかなオリーブ色をしている…いわゆる秘色(ひそく)です。

 

河添房江先生の著書『紫式部と王朝の文化のモノを読み解く 唐物と源氏物語』より引用。

 

 青磁は当時、大宰府を経由して中国の越州窯からの輸入品が多かったのです。その中でも優品とされるのが「秘色」と呼ばれるもので、平安の宮中や貴族の屋敷で珍重された品でした。

 

 

 

『源氏物語』に登場する末摘花は零落して荒れ果てた邸に住んでいましたが、食器は亡くなった父・常陸宮が手に入れていた「秘色やうの唐土のもの(秘色青磁らしい中国渡来の食器)」…越州窯青磁の最高級品を使っていたのでした。

 

【参考】

京都市埋蔵文化財研究所のXポストより https://x.com/maibunken1976/status/1775408595674542109

 

 

どの展示品も興味深く拝見しました!

 

 

京都市考古資料館

 https://www.kyoto-arc.or.jp/museum/

 京都市上京区今出川通大宮東入元伊佐町265-1

 

 

紫式部と王朝文化のモノを読み解く 唐物と源氏物語 (角川ソフィア文庫)   河添 房江 KADOKAWA

 

 

 


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